REPORT/ 開催報告

K-1

第4次産業革命:もの作りと新しいIT活用の連携で実現する「スマートファクトリー」

日本の製造業にもの作りのためのITを

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
代表取締役・取締役社長
大澤正典

東洋ビジネスエンジニアリング(b-en-g)は2月20日、「日本の製造業にもの作りのためのITを。」をテーマに「MCFrame Day 2015」を開催。基調講演では、有識者が日本の製造業のこれからを展望する「スペシャルトークライブ」が開催されたほか、各セッションではパートナー各社の最新動向や導入事例などが紹介された。


開催にあたりステージに登場した大澤は、1300名以上の来場者を前に「インダストリー4.0やIoT、ビッグデータなど、より強力になったITの力を活用し、製造業を活性化する取り組みが世界規模で加速している。MCFrameを中核に、製造業のビジネス拡大や日本のさらなる成長に貢献していきたい」と語る。

基調講演:トークセッション produced by 日経BP社『ITとものづくりの新時代を展望する』


先進国を中心に“もの作り”を強化しようという気運が高まっている。こうした背景のもとで注目されているのがIoT、M2M、ビッグデータなどの新しい概念である。新しいITの概念は、製造業に何をもたらすのだろうか。


モデレータの三好氏は、「現在、製造業で注目されているのが“インダストリー4.0”である。インダストリー4.0は、ドイツ政府が推進する製造業強化を目的とした産学官の大型プロジェクトだ。これを日本語にすると“第4次産業革命”となる」と語る。


18世紀後半の第1次産業革命は蒸気機関の発明、20世紀初頭の第2次産業革命は電動化と分業、20世紀後半の第3次産業革命は電子制御の自動化、そして21世紀の第4次産業革命は「サイバー/フィジカルシステムをベースにしたスマートファクトリーの実現」である。


スマートファクトリーでは、工場やバリューチェーンが基幹システムとネットワークを介して連携し、生産設備が個々に情報交換をして自動的に変化したり、製品にあわせてラインが変化したり、適切なコストで生産できる高効率の生産システムを実現する。


こうした背景のもと

(1)ITと製造業を巡る最近の動きの本質は何か、
(2)もの作りの新しい時代に向けたアプローチと課題、
(3)競争力を維持するために日本企業は何をすべきか

の3つについてディスカッションが展開された。

(1)ITと製造業を巡る最近の動きの本質は何か、

インダストリー4.0には、2つの狙いがある。1つはスマートファクトリーの実現であり、もう1つは標準化である。たとえばドイツのキッチンメーカーであるnobiliaは、スマートファクトリーの実現で「マスカスタマイゼーション」のキッチン製品を提供している。


川野氏は、「nobiliaは、複雑な仕様の製品の組み立てを先進技術で自動化したスマートファクトリーにより生産効率と品質を向上した。従業員2500人で約1300億円を売り上げるnobiliaの従業員1人あたりの売上5200万円はインテルに匹敵する数字だ」と話す。


またM2MやIoTで、モノとモノがインターネットでつながる世界では、コントローラやデバイスが自らコミュニケーションを行う。「もの作りはアトムの世界でITはビットの世界。この2つの融合は、大きなインパクトがある」と西岡氏は言う。


海外の製造現場は国際標準に準拠しているが、日本の製造業は“作っているモノや文化が違う”として独自の道を歩んでいる。西岡氏は、「日本の文化である“すりあわせ”とモジュール化をいかに融合させるかが、いまやるべきことであり本質だ」と語る。


羽田は、「日本の製造業における生産管理パッケージの導入率は40?45%程度。日本では、人間系による対応やルールの未成熟によりSCM分野へのIT活用は不十分だ。しかし状況は変化している」と言う。


日本の製造業もグローバル化を進めているが、暗黙知や以心伝心は通用しない。羽田は、「ITによる差別化が必要。MCFrameユーザーも、以前は正しく使うことがIT活用のポイントだったが、現在は効果を出すことを重視している」と話している。

(2)もの作りの新しい時代に向けたアプローチと課題

オープン化の世界には、国際標準のような厳密なものと、もう少し緩やかなオープン標準がある。モノとモノがつながるためには厳密な標準が必要だが、組織と組織、人とシステムがつながる場合、緩やかな連携(リファレンスモデル)が有効になる。


西岡氏は、「厳密な標準に従うとコア技術までが流出してしまうが、従わないと市場が拡大しない。緩やかな連携で、コア技術を守りながら市場も拡大できる。つながることで技術を還元し、付加価値を生み出すことができる」と話す。


また川野氏は、「モノとモノだけでなく、人も含めてつなげていかなければならないが、つながらないのが現状。オープン規格はたくさんあるが、統一規格ではない。現在のスマートファクトリーは、特定の工場に特化されていることが多い」と言う。


リアルタイム性が求められる機器の分野では通信規格が乱立し、リアルタイム性が不要なアプリケーションの分野ではインタフェースが混在している。川野氏は、「解決策としては、インダストリー4.0で推奨されるOPC-UAを採用することだ」と話す。


羽田は、「インダストリー4.0の世界では、人がいらなくなるという懸念もあるが、むしろ逆である。標準化、オープン化が進むと中堅・中小規模の製造業のメリットが大きくなる。つなげてどうするではなく、まずはつなげることが重要だ」と話している。

(3)競争力を維持するために日本企業は何をすべきか

「企業として、業界として、学会として、国として、何を守り、どこを攻め、どこと組むのかがインダストリー4.0では重要。日本の強みは守り、つなげるITの活用では攻め、日本連合として組んでグローバルに市場を拡大することが必要だ」と川野氏は言う。


また西岡氏は、「欧米的な何でも自動化という考え方ではなく、日本的な人の力を生かす自動化が重要。現在、つながるものづくりをコンセプトに“インダストリー・バリューチェーン・イニシアティブ”という取り組みも計画している」と話す。


最後に羽田は、「b-en-gでは、スモールデータを活用した意思決定支援をすぐに利用できるMCFrame BIや現場の情報をリアルタイムに収集したビッグデータを現場で役立てるMCFrame iPad/iPhoneを提供している。今後もインテリジェントなシステムで、人の判断を的確にサポートできるIT活用を支援する」と話しスペシャルトークライブを終了した。

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